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今日の函館は、ストーブに火を入れたくなる程、冷たい雨が降っています。 昨日、豊川町にある、高田屋嘉兵衛資料館をご案内して頂いた。 こちらは、昭和61年に池見石油の会長さんが、有志を募って開館させ、 企業努力の末、今もその運営をされている。 函館の礎を築いてくれた、高田屋嘉兵衛と函館の関係を熱心に聞かせてもらった。 この函館は、1856年に日本で初めてストーブが作られた地だとか。 そのストーブを昭和63年に池見石油さんの会長さんが、函館の鋳物屋で復元した。 煙突部分は土管になっていて、ストーブ自体は昔の郵便ポストみたいで可愛いらしい。 毎年、11月25日をストーブの日に制定して、火入れ式を行っているらしい。 この見学で驚いたのは、函館の町並みや、その歴史などは、池見さんのように 1市民、1企業の尽力で今に残って伝えられているという事実。 もしこのような人物が居なかったら、もしこのような資料館がなかったら、 もしかしたら、市民のひとりひとりの記憶から忘れ去られていくだろう。 ひとつの歴史的な出来事や、ひとつの伝統的建築物、その町並みとか、 それを残していく、維持していく、伝えていく為に、その裏舞台での苦労はハンパじゃない。 自分の住む街の、そうした小さな取り組みを少しでも語り合い、伝えていかなければと思った。 元町界隈では、老朽化した建物が取り壊されたり、空き家になったりしているが、 僕達、建築家は外から見ていないで、どんどんその維持保全に尽力しなければいけない。 市民の人がやっているのを、上から見ているだけではいけない。 それが建築家たるものの責任ではないかと思う。 自分の建築家としての『道』がもうひとつ見えてきた。 高田屋嘉兵衛資料館から十字街に行く途中にある、臥牛館も池見石油さんで 救出された貴重な建物。昔の高木薬局? 薬の問屋をされていた建物。 今ではカルチャーセンターとして使われている。 外観はとてもシンプルに直しているみたいだが、 インテリアは昔の面影が残り、とても素敵な空間になっている。 京都などいくと、この年代の建物が上手くコンバージョンされている。 文椿ビルヂングや、新風館、SACRAビルなどいろいろな面白い建物があった。 函館でも、上手くコンバージョンしていければ、もっともっと既存の建物を 活かしつつ、上手く街を盛り上げて行けるのに。 そんな提案をどんどんしていきたい。そんな物件あればご一報を!!! 臥牛館の中にもレプリカが置いてありました。
by road-to-architect
| 2011-09-18 22:40
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